仮面ライダーオーズ
『仮面ライダーオーズ』は、テレビ朝日をキー局に、2010年9月から2011年8月まで地上波放映された変身ヒーローもの連続ドラマ。全48話。
タイトルロゴなどの表記は「仮面ライダーOOO」とも。
キー局の放映時間は、毎週日曜日8:00~8:30。
仮面ライダーシリーズの映像ドラマの1タイトルで、いわゆる平成仮面ライダーの12作めのタイトルにあたる。
概要
封印から解放され、現代に蘇る欲望の化身グリード。グリード復活事件に巻き込まれる、風来坊の火野映司は、グリードの1体だが右腕だけの存在になっていたアンクに、オーズへ変身するアイテムを託される。
映司は、グリードたちや、彼らが生み出す怪人(ヤミー)と、オーズとして戦う事に。他のグリードたちとは違う思惑を持っているらしいアンクと、映司とは、互いに相手を利用しあう奇妙な関係を結んでいく……。
TV番組のシリーズ構成
本作のプロットは比較的複雑だが、次のような区分を考えてみる事はできるだろう。
- 第1話~第16話:16話のクライマックスでオーズはピンチに陥るが、本作のライバルライダー、バースが初登場して助勢する。その他、15話、16話を前後編とするエピソードでは、鴻上ファウンデーション会長の口からグリードの誕生秘話が語られるなど。
- 第17話~第24話:16話終盤で初登場した伊達明が、バースとしてメダル争奪戦に参入。16話で、メダルが暴走したグリードの2体は滅びるが、残る2体の片方は、進化し始める。
- 第25話~第31話:25話からは、鳥系のヤミー怪人が、登場しだす。赤いコアメダルから派生する鳥系ヤミーは、アンクの腕だけ復活の謎に連なっていく。
- 第32話~第48話(最終話):32話からは、新種にあたる紫系のヤミー怪人が、TVシリーズに初登場する。
物語の特徴
- 主人公、火野映司に変身能力を与えたグリード(人外の怪物)の1体アンクが、独自の思惑で他のグリードと対立。英司とアンクの互いを利用しあうような関係が続く。
- 変身のキーになるアイテム、コアメダルの争奪戦。
--など。
原作
本作における「原作=石ノ森章太郎(石森章太郎プロダクション)」 のクレジットは、過去におけるシリーズのコンセプト監修に対するものと思われる。
ちなみに、監修とクレジットされている小野寺章は、故・石ノ森の本名が使われた、石森章太郎プロダクションのハウスネーム(共同ペンネーム)。
楽曲情報
- OP主題歌「Anything Goes!」(作詞=藤林聖子、作曲=Tatsuo、編曲=Tatsuo、中川幸太郎、歌手=大黒摩季)
- ED主題歌=番組の構成上、ED主題歌にあたる曲は無い。ただし、挿入歌の多くは、ドラマの最終盤に被せられる形で、ED曲に準じたような効果で用いられた。
- 挿入歌「Regret nothing ~Tighten Up~」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司)
- 挿入歌「Got to keep it real」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司)
- 挿入歌「Ride on Right time」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司、ラップ=緋村剛)
- 挿入歌「Sun goes up」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司)
- 挿入歌「Time judged all」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司、三浦涼介 as アンク)
- 挿入歌「WIND WAVE」(作詞=つよし、作曲=あやの、編曲=つよしとあやの、歌手=つよしとあやの as 路端ライオン)
- 挿入歌「POWER to TEARER」(作詞=藤林聖子、作曲=鳴瀬シュウヘイ、編曲=鳴瀬シュウヘイ、歌手=渡部秀 as 火野映司、串田アキラ)
- 挿入歌「POWER to TEARER」(作詞=藤林聖子、作曲=tatsuo,everset、編曲=tatsuo,everset、歌手=岩永洋昭 as 伊達明、君嶋麻耶 as 後藤慎太郎)
- 挿入歌「Anything Goes! “BALLAD”」(作詞=藤林聖子、作曲=tatsuo、編曲=中川幸太郎、五十嵐“IGAO”淳一、歌手=大黒摩季)
この歌は、最終話のラストで使用された。公式にエンディングテーマとされる事があるが、これは、「スタッフ、キャストのフルロールに被せて使われた、TVシリーズ全体のED」という含みだろう。
劇場版映画
番組情報
【スタッフ 】
TVシリーズのスタッフ
- 原作=石ノ森章太郎(石森章太郎プロダクション)
- スーパーバイザー=小野寺章(石森章太郎プロダクション)
- プロデューサー=本井健吾(テレビ朝日)、武部直美(東映)、高橋一浩(東映)
- 監督=石田秀範、金田治、柴﨑貴行、田﨑竜太、舞原賢三、諸田敏
- 助監督=伊藤良一、塩川純平、杉原輝昭、山口恭平、他
- 脚本=小林靖子、毛利亘宏、米村正二
- アクション監督=宮崎剛(ジャパンアクションエンタープライズ)
- 特撮監督=佛田洋
- キャラクターデザイン=阿部統、高木義弘、早瀬マサト
- クリーチャーデザイン= 篠原保、出渕裕
- 造型=ブレンドマスター
- 美術=大嶋修一
- 撮影=いのくままさお、倉田幸治、小林元、松村文雄
- 照明=佐々木康雄、斗沢秀、西田文彦
- 3DCG製作=特撮研究所
- 音楽=中川幸太郎
- 編集=長田直樹
- 技術協力=ALEXA、KYORITZ、nac、 アップサイド、東映デジタルセンター
【キャスト】
TVシリーズのレギュラー、準レギュラー
- 火野映司、オーズ(声)、映司グリード(声)=渡部秀
- 映司グリードのスーツアクター=藤井祐伍(他に、紫のグリード、ヤミーの役も)
- 仮面ライダーオーズのスーツアクター=高岩成二
- アンク(人間態、怪人態の声)、 泉信吾、オースキャナー音声=三浦涼介
- 仮面ライダーバース、仮面ライダーバース・プロトタイプ(後藤慎太郎装着時)のスーツアクター=永徳
- 仮面ライダーバース・プロトタイプ(伊達明装着時)のスーツアクター=押川善文
- 後藤慎太郎、仮面ライダーバース(2代目、声)、仮面ライダーバース・プロトタイプ(初代、声)=君嶋麻耶
- 伊達明、仮面ライダーバース(初代、声)、仮面ライダーバース・プロトタイプ(2代目、声)=岩永洋昭
- ナレーション、バースドライバー音声、バースバスター音声=中田譲治
- アンクの左腕(人間態) =飛田光里
- 泉比奈=高田里穂
- ウヴァ(人間態 、怪人態の声)=山田悠介
- ウヴァ怪人態のスーツアクター=岡田和也(他にヤミーの役も)
- オースキャナー音声、メダガブリュー音声=串田アキラ
- カザリ(人間態、怪人態の声)=橋本汰斗
- カザリ怪人態のスーツアクター=渡辺淳(他にヤミーの役も)
- ガメル(人間態、怪人態の声)=松本博之
- ガメル怪人態のスーツアクター=高田将司(他に、左腕のアンク、ヤミーの役も)
- 鴻上光生=宇梶剛士
- 里中エリカ=有末麻祐子
- 白石知世子、真木仁美=甲斐まり恵
- 真木清人、紫のグリード(怪人態の声)=神尾佑
- 紫のグリード(怪人態)のスーツアクター=藤井祐伍
- メズール(人間態)=未来穂香
- ヤミーのスーツアクター=岡田和也、内川仁朗、金田進一、高田将司、藤井祐伍、藤田慧、渡辺淳
DVD化など
TVドラマのソフトは、以下の商品が発売された事がある。
- 『仮面ライダーOOO(オーズ)』DVD,VOL.1~VOL.12(東映ビデオ)
- 『仮面ライダーOOO(オーズ)』Blue Ray,VOL.1~VOL.12(東映ビデオ)
用語や登場人物
基本用語
- オーズ
- 本作の主人公にあたる変身ヒーローの名。変身用アイテムであるオーズドライバーをアンクに預けられた火野映司が変身する。
- ドライバーに挿入する3枚のコアメダルの組み合わせで、多彩なフォームチェンジをするのが特徴。最初は、タカの力を頭部に、トラの力を上半身に、下半身にはバッタの力を宿すタトバコンボのフォームで変身し、タカキリバ(タカ、カマキリ、バッタ)フォームなども使う。
- TVシリーズ劇中の回想シーンでは、800年前にコアメダルを錬金術師達に作らせた王も、タトバコンボの姿に変身していた。
- 作品外情報では、「オーズ」とは「O’s」とも記すと、「王者のもの」といったニュアンスを示唆するコメントもオフィシャル筋から流布された。この線での意味づけは、コアメダルやグリードの誕生経緯を踏まえたものだろう。TVシリーズ劇中では、「オーズ」の名に込められた意味は、イメージ的な示唆にとどめられ、あまり詳細には描かれなかった。
- 仮面ライダー
- オーズのTVシリーズでは、劇中「仮面ライダー」の語は多用はされない。ただし、オーズのライバルにあたるバースは、そのマニュアルにも「仮面ライダーバース」と記されている。
- 又、27話と28話の前後編(28話は、シリーズの「TV放送1000話記念企画」)の劇中では、鴻上ファウンデーション会長を筆頭に、伊達明なども、疑問も違和感もない様子で、「仮面ライダー」の語を、何度か使っていた。
- 他方、映画『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(2010年8月7日公開)で、オーズが画面に初登場するシーンで、オーズはWに「仮面ライダーは助け合いでしょう」と話しかけている。
- 仮面ライダーオーズ
- 「仮面ライダーオーズ」という呼称は、ドラマ劇中では用いられていない。ただし、火野映司ら主要キャラクターは、そのように呼ばれたとしても戸惑いはしない感じだろう。
- グリード
- 鴻上ファウンデーション
- 変身
- 第1話(Bパート)で、右腕だけのアンクは、オーズドライバーを託した英司に「さあ、変身しろ」と促す。続くシークエンスで、初めてコアメダルを使う英司は、オースキャナーでドライバーに挿入したメダルをスキャンした直後に「変身」と口にし、初めての変身を。直後、映司は、変身に驚いていた様子だが、タトバの歌の事が話題に。結局、映司が、何故「変身」と口にしたかの謎は、劇中ではうやむやになる形に。
主要キャラクター
- アンク
- 泉比奈
- ウヴァ
- カザリ
- ガメル
- 後藤慎太郎
- 伊達明
- バース
- 火野映司
- 真木清人
- メズール
関連事項
- オーズドライバー
- オーズに変身するためのアイテム。イメージ的には変身ベルトのバックル部分ににあたる。3つのスロットルが刻まれていて、装着した人間はスロットルにそれぞれ1枚ずつ、計3枚のコアメダルを挿入する事で、変身が可能になる。ただし、人間ならだれでもいいわけでなく、「メダルの力に呑み込まれない」かどうかの適性があるらしい。
- 当初は石でできているような外見のアイテムで、グリードたちをコアメダルの状態で長年封印していたようだ。第1話では、この石状アイテムを右腕だけになっていたアンクが奪う事で、カザリら4体のグリードが復活。ウヴァが生み出した怪人(カマキリヤミー)に襲われたアンクが、偶然行きあった火野映司にアイテムを託す時に、石状態が解けた。
- オーメダル
- コアメダルとセルメダルとを併せた総称。イメージ的には、魔法のコイン。
- 実は、人間の欲望をメダルの形状に具象化したアイテムらしい。アンク「セルもコアも、メダルの元は、人間の欲望」(2話)。
- コアメダル
- 擬似生命体の怪物グリードの、存在の核を構成するメダル状のアイテム。イメージ的には魔法のコイン。系統ごとに色が異なる。
- グリードたちは、それぞれ自分の系統の同色コアメダルを吸収する事で、パワーを増す。オーズも、同系のコアメダル3枚を同時に変身に用いると、混色メダルよりもパワフルなフォームに変身できる。
- オーズのドラマでは、コアメダルの争奪戦が物語展開を駆動する要因の1つになる。
- 実は、過去に錬金術で作られた事は、ドラマ中盤で明かされる。
- クスクスシエ
- グリード
- コアメダルを核に、多数のセルメダルを集合させている存在。
- ドラマで最初に登場するのは、コアメダルの数が減っていたため右腕だけになっていたアンク。アンクが、オーメダルを封印していた石櫃から封印のパ-ツを外すことで、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズール、4体のグリードが、同時にメダル状態から復活する(第1話)。
- 実は、過去に錬金術師がコアメダルを作った後、副次的に生まれたらしい様子は、ドラマ中盤の回想で描かれる。
- セルメダル
- ヤミー
- ライドベンダー
メディアミックス展開
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